kidscollege’s blog

SKCキッズカレッジの学習室の様子と変化、保護者の声などを具体的に紹介します

        NPO法人SKCキッズカレッジのブログです。

ドイツのコロナ休校からの学校再開の状況

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久しぶりです。

日本よりも一足先に、コロナ禍から学校再開に踏み出しているドイツの学校事情を調べてみました。ドイツは州ごとに教育行政が独立しているので、どうしても州単位でみることになります。急いで作業しましたので、誤訳、誤植などあるかもしれません。ご了解ください。

2つのニュースソースからとっています。

 

2020年5月6日のニュース

www.bayern3.de/schule-corona-bayern-wann-wieder-geoeffnet

 

5月11日から、中等学校の卒業学年以外の学年、基礎学校の4年生にもface-to-faceの授業(Praezentzunterricht)が再開される。

 

5月18日からは基礎学校1年生、中等学校5年生、実家学校5,6年生、ギムナジューム5,6年生のface-to-face授業を再開する。

 

聖霊降臨祭後には、週替わりでの中等学校のすべての学年でface-to-face授業の再開が目指されれる。

 

 

いつ我が州では学校は再び開かれるか?

www.bild.de/news/2020/news/corona-wann-oeffnet-die-schule-ihren-bundesland-69922998.bild.htlm

2020年4月24年

 

ベルリン

4月27日月曜日、まず10年生が学校に戻る。それから、中等学校の卒業学年で試験の準備が行われる。つぎの段階は、5月4日にギムナジュームの11学年が始まる。統合中等学校の9学年と12学年、基礎学校の6年生が段階的に開始される。

 

バーデン・ビュルテンブルク

5月4日~まず25万人の生徒が学校に戻る。州文化省大臣Susanne Eisenmann(CDU)は木曜日に、生徒が今年度又は次年度に卒業試験を受けなければならないときは、この日までにすべての種類の学校の生徒が主要教科で授業を受ける、と述べた。そのために、適切な準備が保障される。卒業試験の開始は、5月18日が予定されている。

 

他の学年の生徒は段階的に学校に戻る。基礎学校の4年生は、とりあえず家にとどまる。

 

 

バイエルン

ギムナジューム、実家学校及び中等学校の卒業学年は4月27日から学校に登校する。教室では、しかし、最大15人の生徒が同時に過ごすべきである、と文化省大臣Michael Piazoloは述べた。

5月11日からは、その他の学年も含まれる。基礎学校の4年生も。進級が危ぶまれる生徒の場合は、自由都市は眼をつぶることはない。誰もコロナパンデミーによって落第することはない。低学力生徒は、仮進級をすることができる。

 

 

ブランデンブルク

次週月曜日から、専門高等学校あるいは職業学校資格を得ようとする生徒は授業が始まる。高等学校、総合性学校、ギムナジューム、特定の障害児学校の10年生にもこれは適用される。

5月4日に、次年度に即仰臥予定されている学年の学校は再開する。すなわち、高等学校9年生、ギムナジュームと総合性学校の9年生、ギムナジュームの11年生、総合性学校、職業ギムナジュームの12年生。

6年生は条件によって授業が再開する。

 

 

ブレーメン

5月4日に段階的に学校が再開する。卒業学年に優先権がある。次の月曜日に、教育行政の基準に従って、高等学校及びギムナジュームの相当学年が開始される。

 

 

ハンブルク

5月4日から、個々の学年の授業が再開される。

まず、基礎学校の4年生と中等学校の終了学年で。

 

 

ヘッセン

ヘッセンでは、厳格な密接の制限にもかかわらず、アビトッーアの試験は行われた。4月27日より、学校は段階的に再開される。最大、1教室15人が許される。

 

文化省大臣:判決に基づいて、4年生は、次週から学校に登校しなくてもよい。もちろん、9年生、10年生および職業学校も、卒業試験の準備のために学校に戻ることができる。ギムナジュームでも、いわゆるQ2授業(次年度アビトゥーアを登録する学年の授業が行われる。

 

メクレンブルク・フォーポンメルン

4月27日から学校が再開される。

まず、上級の10,11,12学年が教室に戻る、と文化省大臣(SPD)はのべた。

5月はじめまでに、続く学年が学校に戻る基準が作成される。

 

 

ノルトライン・ウェストファーレン

木曜日に、学校が再開される。

 

ちょうど9万人のアビトゥーア合格者(受験生)は、登校するかどうかは自由である。卒業試験を受ける生徒には、登校義務がある。

 

 

ニーダーザクセン

5月4日に学校が段階的に再開される前に、すでに、オンライン授業が行われている。

もちろん、10年と13年の卒業学年には、授業はすでに4月27日に始まった。

 

基礎学校の4年生には5月4日に、12年生には、5月11日に授業が開始される。

9,10,3年生は5月18日から登校することになる。5月末と6月中頃にその他の学年が続く。

 

 

ラインラント・ファルツ

学校再開の第1段階は4月27日で、これはその他の試験と卒業学年の生徒に該当する。

 

5月4日から、次年度に課程終了の学年に拡大される。

 

ザールランド

5月4日から段階的に学校および幼稚園が再開される。

 

 

ザクセン

アビトゥーア受験生は、卒業試験の準備を始めており、高等学校、職業学校、障害児学校の卒業学年がそれに続く。その他は、段階的にその後学校に戻る。

 

 

シュレースビヒ・ホルシュタイン

学校および幼稚園は、5月4日まで基本的に閉鎖される。アビトゥーア試験の計画が開始した。

 

チューリンゲン

4月27日から、すでにフェイス・ツー・フェイス授業が行われている。

5月4日に、基礎学校、実家学校、地域中等学校及び職業学校の卒業学年が続く。

 

 

職員組合議長は、安全基準が満たされないならば、学校は閉鎖されなければならない、と述べた。

トイレと手洗い場の整備、感染予防、緊密に行われる清掃など。

 

 

SKCの漢字教育

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書字エラー

粘土と漢字指導について 20200403

 

 あるところで、キッズの粘土指導が漢字習得にどう効果があるのかが議論になったらしい。よくある議論で、とくに珍しいことではありませんが。しかし、粘土が漢字の書きにどう効果があるのかという問いをする人は、まず自分が漢字の指導とは何かをどう考えているのかを明らかにしなければなりません。

 特別支援教育でよく観察される書字の指導というものは、文字の指導ではなく、字形の書き方すなわち手指の筋肉運動スキルの反復訓練に過ぎません。基本的な問題として、ほとんどの研究や特別支援教育の実践は、「字体」と「字形」の区別をしていません。そこから多くの場合、「字体」にかかわる文字の意味の指導は取り残されたままになります。そもそも、文字の教育になっていないということです。

 

キッズカレッジの粘土指導は、「漢字」の指導にも関係しているけれども、直接的に「漢字の書き方」の指導を目指してはいない。結果的にはそれでかなり改善しますが。キッズカレッジの指導は、基本的パターンは月2回、1回1時間で漢字1単語(単漢字の場合は1字、2語熟語で2漢字)、休みなしとして年間24回、つまり年24字(単語)だけをあつかう。漢字指導であるとするならばこんな悠長な指導はありません。

漢字指導の最大の問題点は、「字体は抽象的なものであり、視覚化することはできない」という漢字の「字体」の本質をどの程度考えているかということです。日本の漢字教育のほとんどが、「字体」の本質を無視しています。

 キッズの指導の特徴はたくさんありますが、議論を拡散させないためにこの点に限って最低2つの点を指摘しておく必要があります。

第1に、粘土を使うときの指導の重点は、「言葉の意味」(断じて「書き」ではない)を視覚的に構成することにあります。上手下手は全く関係ありません。どんなに上手でも模倣はだめ、自分のイメージを大切にする。「ピクチャー・シンキング」の一つといってもよいかもしれない。1時間の学習時間でこの意味の形象化にほぼすべての時間を費やす子どももいるが、スタッフは黙ってみています。言葉は読み書き障害の子どもの思考を混乱させることがあるからです。スタッフは言葉の意味を言葉で説明しないことが原則です。もちろん、「こんなんもある」などとやって見せたりすることは御法度です。「字体」指導なので、基本的には、読めればよいという「漢字の本質」に則ります。文字の形、線の長さ、傾き、などは他の字と混同しなければ間違いのです。「×」ではありません。

第2に、キッズカレッジの指導は粘土を使うか否かにかかわらず、指導の際にスタッフは書き方だけでなく、意味も「教えない」「指摘しない」「直さない」、ヒントによる「誘導もしてはならない」ことを無条件に守らなければなりません。それ故、子どもが粘土や漢字に取り組んでいる間はスタッフはほぼ黙ったままでいます。

これら徹底して「教えない指導」は、キッズカレッジ設立時からの一貫した原則です。つまり、粘土指導は、文字の書き方の指導法ではありません。キッズカレッジの指導は、子どもの指先にではなく、子どもの思考に焦点を置いています。しかも、自分が漢字をどう書いているか、どこで間違いやすいか、どうすれば書きやすいかなどの自分を知ることに重点があります。ところが、この方法によって、長期的には子どもの書字の間違い方は大きく変化していきます。指先の書くスキルが変わったのではなく、書く主体の思考に発達的な変化が(自動的に、弁証法的自己運動として)起きます。指導と子どもの漢字学習との間に、主体を置き去りにした直線的なリジットな相関関係などはじめから想定していません。キッズカレッジの漢字指導は、発達障害のある子どもの人間的発達に関わる教育の入り口としての方法ともいえます。(番頭)

「子どもの事実」vs「教師の捉えた事実」

 

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ある教師の研究会では、これまで「学習の事実」に基づく「授業の中での子ども理解」やもっと広く「子どもの事実」を出し合い、議論を重ねてきた。低学年で習得することになっているひらがなやかけ算の習得は、中学年や高学年ではどうなっているのだろうか、という話や疑問が出されたときには、すぐに簡単なテストをやってみて、教師の主観ではなく「事実」に基づく議論をしてきた。そうすると、高学年のどのクラスにもひらがなやかけ算でつまずいている生徒が一定数いることがわかってきた。研究会では、こうした事実が単に子どもの能力や学習状況によるだけでなく、指導要領によって縛られている教科書や指導法にも原因があるのではないかという観点で、教科書がどうなっているかということについても批判的に検討してきた。そうすると、最近の教科書が算数だけでなく、国語でも「考え方」や「やり方」を同じ手順で繰り返し覚えさせるようなものになっていることが明らかになってきた。さらに、学習内容の量が半端でなく多いので、子どもの理解を待っているような余裕は教師の方に残されていない。

 ところが、最近、こうした研究会の「学習の事実」や「子どもの事実」に基づく実践研究の方法に対して、そうではなく「教師が捉えた事実」という方がよいのではないかという批判的コメントが出てきた。研究会のメンバーは、まだそうした教師中心の子どもの理解が大手を振るっていることに、驚きと「やっぱり」という感想とが入り交じった複雑な思いを抱くことになった。今日の複雑な教育状況の中で教師が、授業や授業外で見せる子どものありのままの姿をしっかりとらえているか、という教育実践研究の現状に対する疑問や批判から「子どもの事実」に基づく「子ども理解」という議論の方法を実践して手応えを感じ始めていたなかでのできごとであった。これまで、高学年でもひらがなが十分に習得されていなかったために学習に意欲がだせずにいるのに学習意欲がない子とか、学習した時には出きるのに頑張りが足りない子だとか、勉強はできないけれど他に良いところがあるなどという「教師が捉えた事実」が、どれほどに一人ひとりの子どもが抱え込んでいる学習の困難や内面の葛藤などの事実とかけ離れているかということへの問題意識はまだそれほど広がっていないのだなという思いを強くすることになった。実は、「学習の事実」や「子どもの事実」は、そのように見ようという問題意識のある教師にとってそれほどむずかしいことではない。日々の授業での子どもの様子、学習の取り組み方やでき具合を、教師の主観を交えず、ありのままにみればよいだけのことである。ただ、教科書や指導法まで拘束する学習規律、ユニバーサルデザインなどが上から押しつけられる現場では、教師がありのままに子どもを見ることすら困難にしている現状がある。だからこそ、「学習の事実」に基づく「子どもの事実」を大切にし、そこから出発する実践研究の必要性を強く主張する必要がある。

 

学習障害の理解がなぜ教育の世界で広がらないのか

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学習障害の理解が教育の世界で広がらない理由は根深い。すぐにあげることができるいくつかの理由がある。多くは、「ディスレクシア神話」と呼ばれている。

  • 読みと書きは一体である。読みと書きを一緒に教えることから来た教師の思い込み。実は、読みと書きはしばしば乖離する。
  • 読み書き障害は、英語に比べて日本には少なくない。ひらがなが音と一対一的に対応する単純な言語だからという思い込み。
    実は、拗音の読みで躓くと、適切な指導がないと年齢を重ねても解消しない。
  • 指導がよければ読み書きの困難は直せる、という「優れた教師」の思い込み。

         実は、通常学級の「すぐれた指導」は読み書き障害の指導法としては不適切。

  • 不注意や集中力がないから、画数の多い漢字がおぼえられない、という思い込み。実は、子どもは一生懸命繰り返し読み書きを学習しても、その時はできるかもしれないが、覚えられない。

   写真は、辞書で調べてみながら書いた時の字形の一つである。こうした間違いは、書き障害の子どもによくみられる。そして、直すのが困難である。(直せばその時はできるかもしれないが、すぐに忘れてしまう。定着しない。子どもには、やっぱり自分は「バカだ」という思いしか残らない)

学習障害は成人まで継続することがある頑強さを持つ」ということは、欧米の学習障害理論の常識となっている。この常識が理解されず、上のような神話信仰が教師と発達相談の専門家の中に根強くはびこっている。子どもと保護者の悩みは、今も変わらない。どうしたらよいのだろうか。

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粘土と漢字指導について 20200322

  粘土が漢字の書きにどう効果があるのかという問いをする人は、漢字の指導とは何かをどう考えているのかをまず明らかにすべきだ。

 特別支援教育でよく観察される書字の指導というものは、文字の指導ではなく、字形の書き方すなわち手指の筋肉運動スキルの反復訓練に過ぎない。多くの場合、文字の意味は取り残されたままになる。

 キッズカレッジの粘土指導は、「漢字」の指導ではあるが、直接的に「漢字の書き」の指導を目指すものではない。キッズカレッジの指導は、基本的パターンは月2回、1回1時間で漢字1単語(単漢字の場合は1字、2語熟語で2漢字)、休みなしとして年間24回、つまり年24字(単語)だけをあつかう。漢字指導であるとするならばこんな悠長な指導はないであろう。

 キッズの指導の特徴はたくさんあるが、議論を拡散させないためにこの点に限って最低2つの点を指摘しておく必要がある。

第1に、粘土を使うときの指導の重点は、「言葉の意味」(断じて「書き」ではない)を視覚的に構成することにある。上手下手は全く関係ない。どんなに上手でも模倣はだめ、自分のイメージを大切にする。「ピクチャー・シンキング」の一つといってもよいかもしれない。1時間の学習時間でこの意味の形象化にほぼすべての時間を費やす子どももいるが、スタッフは黙ってみている。言葉は読み書き障害の子どもの思考を混乱させることがある。スタッフは言葉の意味を言葉で説明しないことが原則である。もちろん、「こんなんもある」などとやって見せたりしてはいけない。

第2に、キッズカレッジの指導は粘土を使うか否かにかかわらず、指導の際にスタッフは書き方だけでなく、意味も「教えない」「指摘しない」「直さない」、ヒントによる「誘導もしてはならない」ことを無条件に守らなければならない。それ故、子どもが粘土や漢字に取り組んでいる間はスタッフはほぼ黙ったままである。

これら徹底して「教えない指導」は、キッズカレッジ設立時からの一貫した原則である。つまり、粘土指導は、文字の書き方の指導法ではない。キッズカレッジの指導は、子どもの指先にではなく、子どもの思考に焦点を置く。ところが、この方法によって、長期的には子どもの書字の間違い方は大きく変化する。指先の書くスキルが変わったのではなく、書く主体に発達的な変化が(自動的に)起きる。指導と子どもの書字学習との間に、主体を置き去りにした直線的なリジットな相関関係などはじめから想定していない。

全障研 一律休校要請の撤回を

現在、新型コロナウイルス感染の拡大に対応する全国一斉の小・中・高・特別支援学校の休校が安倍首相によって要請されたことが多くの問題を起こしています。その中には、障害のある子どもの生活と学習をどう保証するかという受け皿への準備が全くないまま特別支援学校の休学が「要請」され、地方自治体、教育委員会がこれをそのまま受け入れた、という大きな問題があります。これに対して、いろいろな意見が述べられていますが、全国障害者問題研究会が以下の声明を発表しています。

 

 

www.nginet.or.jp

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手記2010表紙

 NPO法人滋賀大キッズカレッジ(当時)の設立(2005)以前からの学習室の子どもたちの学習室および家庭での様子と学校での困難が描かれています。特別支援教育が制度化されたその後、読み書き障害、発達障害の教育は、何が変わり、何が変わっていないのか、保護者とスタッフの目を通して考えます。

 

『ぼく、字が書けない だけどさぼっていない』文理閣 2010)目次

第1部 子ども、保護者の思い・願い(この本をこれから読まれる保護者の方へ
僕のキッズ体験と高校生活
小・中学校をふり返って ほか)
第2部 座談会「気になる進路問題…どうしよう?どうした?」
第3部 学校の取り組み、努力―発達障害のある子どもへの教育的対応(学習障害・読み書き困難児の学習保障
小学校のコーディネーターの役割
中学校の特別支援教育コーディネーターの立場から ほか)
第4部 滋賀大キッズカレッジの理念と指導方法(「学習障害」のある子どもと親の困難―親の手記にかかわって
「滋賀大キッズカレッジ学習室」の実践―具体的な指導方法と留意点、子どもの様子
読み書き困難(障害)のアセスメント ほか)

                                  以上

◆SKCキッズカレッジブログ byキッズカレッジ番頭とその仲間たち