SKCキッズカレッジのブログ

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学習障害の理解がなぜ教育の世界で広がらないのか

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学習障害の理解が教育の世界で広がらない理由は根深い。すぐにあげることができるいくつかの理由がある。多くは、「ディスレクシア神話」と呼ばれている。

  • 読みと書きは一体である。読みと書きを一緒に教えることから来た教師の思い込み。実は、読みと書きはしばしば乖離する。
  • 読み書き障害は、英語に比べて日本には少なくない。ひらがなが音と一対一的に対応する単純な言語だからという思い込み。
    実は、拗音の読みで躓くと、適切な指導がないと年齢を重ねても解消しない。
  • 指導がよければ読み書きの困難は直せる、という「優れた教師」の思い込み。

         実は、通常学級の「すぐれた指導」は読み書き障害の指導法としては不適切。

  • 不注意や集中力がないから、画数の多い漢字がおぼえられない、という思い込み。実は、子どもは一生懸命繰り返し読み書きを学習しても、その時はできるかもしれないが、覚えられない。

   写真は、辞書で調べてみながら書いた時の字形の一つである。こうした間違いは、書き障害の子どもによくみられる。そして、直すのが困難である。(直せばその時はできるかもしれないが、すぐに忘れてしまう。定着しない。子どもには、やっぱり自分は「バカだ」という思いしか残らない)

学習障害は成人まで継続することがある頑強さを持つ」ということは、欧米の学習障害理論の常識となっている。この常識が理解されず、上のような神話信仰が教師と発達相談の専門家の中に根強くはびこっている。子どもと保護者の悩みは、今も変わらない。どうしたらよいのだろうか。

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